拍手再録

□年末
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『やっぱりアキラちゃん無理だったかあ』
「楽しみにしてたらしいな」
川末はアキラからの電話を思い出す
年末なら帰ってこれるかなと期待をさせていたのを裏切ったから直接話しずらいといってかけてきたのだ
『うん
そしたら昔みたいに3人揃うなって思ったの
でも気をつかわせちゃったな』
肩をすくめながらお椀に年越し蕎麦をつぐ
「おいしそうだな」
話題を変えることしか思いつかず川末は鍋を眺める
『多分おいしいよ』
あいまいな返事をしながら笑う
川末はその頭に手をポンとおいた
「またいつかみんなで過ごせるときがくる」
『そうだね』
・・・俺はこのままでいいんだがな
そんなことを思いながら年越し蕎麦を口に運んだ


End


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