ショコラ

□第4話
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お腹の虫が鳴いたのをきっかけに、ショコラは帽子屋のお茶会へ招かれた…というか引っ張ってこられた。

陽当たりの良い庭に上品なティーセットが用意されており、テーブルにはさまざまなお菓子が並んでいる。
若干色合いがオレンジに偏っているような気もするが。

「さぁ、お嬢さん。思う存分ここにあるオレンジ色の物体を食べるといい。」

「え?え?」

「そうだよ!兎さんなんだから、ニンジン好きだよね?」

「やったね、兄弟。これでテーブルがさっぱりするね。」


ブラッドと双子は彼女をエリオットの向かいに座らせると、早く自分の前からあの物体を無くすよう催促した。

目の前ににんじんスフレが差し出される。
しかし、帰ってきた言葉は思いもよらないものだった。


「あ、あのね…私…にんじん苦手なの……。」


途端に固まる周りの空気。
エリオットだけは気にせずにオレンジ色の物体を食べ続けていたが…。

「お、お嬢さん?エリオットに遠慮をする必要はないんだぞ?」

「この前初めて食べたんだけど…好きになれなくて…。で、でもせっかく出してくれたんだもの。食べなくちゃね!」


そういい口をつけていく彼女だったが、どんどん涙目になっていくので、食べさせることを断念した。



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