ショコラ

□第4話
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「(噂を聞く限り、世間知らずのお嬢さんだと思っていたが…商談の仕方は分かっているじゃないか。)」

彼女のくれた情報があれば、その店はこちらに茶葉を売るほか手立てがない。
ふむ、あのお嬢さんなかなか黒いところが…

「ああ!!美味しいニンジン料理の店を教えて貰うの忘れた!」

自分もつれていかれるのかと思うと気が重い…できるならあのお嬢さんを連れて行ってもらいたいものだ。

「…次の時間帯からは仕事だ。早く戻ってこい。」

「ああ、分かった!ちょっと行ってくるな!」

少し前に出て行ったショコラ#を追って、エリオットは屋敷を後にした。

一方、墓守領へ向かっていたショコラ#は、エリオットがこちらへ向かっている情報をきちんと聞きとっていた。

「エリーちゃん!!」

「あれ、ショコラ?!何で戻ってきたんだ?」

「エリーちゃんがこっちに来るのが分かったから。美味しいニンジン料理の店を聞きに来たんでしょう?」

びっくりした表情のエリーちゃん。まだ詳しくショコラのことを知らないのだから当然だ。

「私ね、すっごく耳がいいの。聴力を使って情報収集しているのよ。」

「ああ、それで…。ありがとな!戻って来てくれて。」

「ううん、気にしないで。あ、あとねニンジン料理の店なんだけど…教えるんじゃなくて…今度一緒に行くって言うのはどうかしら?」

初めてできた友人だ。一緒に遊びに行ってみたい。

「ああ、もちろん!あ、あとな…もう一つ頼みたい事があるんだ。こっちは仕事として。」

エリオットの表情が、雰囲気がガラリと変わる。

「!!…知りたいことは何かしら…?」

「あんたも見てただろ?水色の服をきた女だ。」

私が帽子屋屋敷へついたときにすれ違った女性。気になって、情報は少し集めていた。

「アリス=リデル、ダイヤの城に滞在中の余所者さん。」

「そいつ、初対面だってのに俺たちの名前を知ってたんだ。怪しいだろ?!」

エリーちゃんが言うには、彼女は屋敷へ裏口を使って入ろうとしたり、やけに馴れ馴れしいとか…。
正直、間者なんだったらもう少しうまくやると思う…けど。

「エリーちゃんのお願いだもの。調べておくわ。」

「わりぃな…。あ、ちゃんとお礼は用意する。何がいい?」

「お金はあんまり必要ないの…。エリーちゃんに任せるわ。…あ、できればニンジン以外で…。」

貰っても食べたいと思えない…ごめんね、エリーちゃん。

「そういえば、これから仕事なんでしょう?戻らなくて平気?」

「あ、そうだった!じゃあ、情報集め、よろしくな!」

「うん、任せて。帽子作り頑張ってね!」

「はっ?」

帽子屋の仕事なのだから、帽子作りだろう。
あ、でもマフィンみたいな職業だから…お菓子作り?

「いや、帽子屋ファミリーはマフィアだぞ?ブラッドは帽子集めが趣味だけど、商売はしてない。」


あれー?

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