ショコラ
□第4話
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「ああ、それは分かっているとも。聞きたいのは茶葉についてだ。」
紅茶、ではなく茶葉について。
つまり…
「ボスは帽子屋ブランドの紅茶を作ろうとしてるんだよ。いくらで売れるかな?兄弟!」
「収入源が多いっていうのはいいよね。給料が上がるかもしれない。」
彼らが紅茶作りに携わっていないのなら上がらないだろう…。
「紅茶作りに感しては新参者だからね、まだなかなか良いものが手に入らないんだ。」
次に仕入れるならセカンドフラッシュが狙い目だ。それなら…
「他領土だけど…城の領土にあるエトワールっていう店がセカンドフラッシュに強いわ。その頃にはまた測量会が始まるし、買い付けやすいでしょう?」
「なるほど……。しかし、期間中は争いごとが禁止だろう?」
力ずくで行くつもりなら、期間中じゃなくても同じだろう…。
確かに、他領土の領主相手へ簡単に城御用達の茶葉を売ってくれるとは思えない。
軍事力を使わずして、事を運ぶなら。
「快く茶葉を売ってもらえる情報…必要ないかしら…?」
面倒なことが嫌いな彼なら、きっと私のお客様第一号になってくれる。
「ふむ、聞こう。しかし君は情報屋だ…。対価に何を望む?」
あっても困らないけど、お金を貰ったところで使い道がない。
家賃は受け取ってもらえなさそうだし、服はジェリコがたくさん買ってくる。
お腹が空いたらユリウスがご飯をくれるし
「うーん……あ、そうだわ!私、帽子が欲しいわ!。」
ここではみんな素敵な帽子を被っている。
兄さまも帽子を被っていたし、私だってかぶりたい。
「それならお安い御用だ。君に似合う素敵な帽子を用意しよう。」
「契約成立ね。よろしく、ブラッドさん。」
ショコラはブラッドにエトワールの情報を教えた。あそこは仕入れる茶葉の品質は最高級だけれど、それだけの組織ではない。
そこをつけば…。
そこでちょうど時間帯がかわり、お茶会を終わることになった。
「次、君が来るまでに帽子を用意しよう。また来なさい。」
「わかったわ、交渉うまく行くといいわね!」
長居をしてしまったから、一度ユリウスの所へ帰ろう。
ショコラは墓守領に向かって走り出した。