ショコラ
□第4話
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「エリーちゃんはニンジンが好きなの?」
その後もひたすらニンジン料理ばかりに手をつける彼に聞いてみる。
「違う!俺が好きなのはニンジンじゃなくてニンジン料理だ!!」
「すまないな、お嬢さん。あまり気にしなくて……。」
「んー…その気持ちわかる気がするわ。」
「?!」
ショコラの発言はブラッドや双子にとってインパクトが大きかった。
はたから聞いたらただの屁理屈だ。
「私、ココアは大好きだけど、カカオ豆は食べても美味しくなかったわ。きっとそんなものよね。」
違うだろう!と3人は心の中で強く突っ込んだ。がしかし…。
「ショコラ…俺、あんたとは良い友達になれる気がする!」
「エリーちゃん!」
二人、いや…二羽のウサギは周りそっちのけでうかれていた。
「(初めてのウサギ友達だわ…!)」
「ところでお嬢さん。しばらく休んでいた情報屋の方は再開したのかな?」
「うん、少し前から。何か知りたいことがあるんだったら、お茶のお礼に一つプレゼントするわ!
あ、でも!墓守領のことはダメよ?」
ずっと城の中で生きてきたショコラでも、領土同士で抗争が起きているのは知っている。
自分の住んでいる領土が危険にさらされるのは困るし、何よりユリウスやジェリコに迷惑はかけたくない。
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