新作部屋

□熱に浮かされて
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「お願いします」


「イヤです」


「ねっ、お願い!一生のお願いだから!」


「ダメです」


「私と一緒にお風呂入って!!」


床に土下座して懸命に頼み込むこの人がこの国の摂政だなんて信じたくない。僕は太子の頭を踏みつけた。


「嫌だっつってんでしょうが。どうせアンタいやらしいことする気でしょう!」


「ギ、ギクーーっ!そそそ、そんなことないもん!ただ私は妹子ともっと仲良し(意味深)になりたいだけであって…!」


「へえ…どんなことをするんです…?是非聞かせてもらいたいですねぇ」


凄みをきかせた声で威圧すると、太子はなんとも情けない声を上げて怯えた。


「ヒヒィン…妹子怖いよぅ。えっとね、裸の付き合い?」


「それで?」


「あわよくばエロい展開に…なーんちゃって」


「やっぱりそうじゃねぇか!!」


渾身の力をこめて頭を思いっ切り踏みつぶす。ぐえ、と蛙が潰れたような声がした。


「お願いしますよ…お風呂に入るくらい許してよ…恋人らしいことしたいもん…妹子のいけず」


ぐすんぐすんと泣き始めた、ウザい。頭を踏むのも飽きたので足をどけた。


「お風呂でいちゃいちゃは恋人が必ず通る道なんだぞ…それをお前無慈悲につっぱねやがって…許さん…絶対許さんぞ妹子…七代祟ってやる」


段々と恨みがこもってきた物言いに、この人ならやりかねないと思った。僕は海より深いため息をつき、結局折れることにした。


「あーもう、分かりましたよ!入ればいいんでしょう!ただし今回だけですからね、二度目はありませんよ!」


「わーい!!」


素早く起き上がって僕に抱きついてくる太子。今日もわがままを許してしまった、ちくしょう。いい加減厳しく接した方がいいとは思いつつも、実行できていない。


「そんじゃ早速いくぞ!」


「ちょっ…今からですか!?」


「妹子の気が変わるといかんからな!」


というわけで太子に引っ張られ、脱衣所まで連れてこられてしまった。


なんともムカつく笑顔でジャージを脱ぎ出した太子に対して、僕は一枚も脱げなかった。太子の目の前で、しかもこんな明るい場所で自ら肌を晒すのは羞恥が邪魔をする。


「どうしたの、脱がないの?」


「……いえ、その」


小娘のように恥じらって、裸の太子から目を逸らした。ジャージのファスナーにすら手が伸ばせない。


「…やっぱ、恥ずかしい?」


微かに頷く。


「じゃあ、さ。私が脱がせてあげるよ」


「えっ」


驚いている間にファスナーが一番下まで下げられ、腕からジャージが抜き取られた。そしてぐるぐる巻きのサラシに手がかけられ、ゆっくりと解かれていく。


「……っ」


「なんか、ブラ脱がすよりえっちかも…」


そういうことは口に出さなくていい、意識してしまう。これから太子といやらしいことをするのを。


ズボンもパンツも脱がされて、とうとう僕は何も身につけていない裸にされてしまった。太子は無言で浴室に入り、僕もタオルで身体を隠しつつ後に続いた。


「妹子、おいで」


風呂椅子に腰かけた太子が手招きしてくる。


「洗ってあげるから、膝の上に座って」


「…変なことしませんか」


「しないよ?」


嘘つけ、アンタがそういう顔してる時は大抵何か企んでる時だ。拒否してもどうせ言いくるめられるだろうから、僕は仕方なくタオルを取って座った。


太子はボディーソープをやたら多く手に取り、塗りつけた手で僕の胸を撫でてきた。


「ひゃっ!何すんだこのスケベ!」


「何って、洗ってるんだけど?スポンジで洗うより気持ちいいと思うよ」


「や、やめっ…ぁ、ン」


ボディーソープのぬめりと、太子の手の動きが相まって甘えた声が出てしまう。洗う、というより愛撫されている、が正しい気がする。


「…は、ん……」


「すごく色っぽいよ、妹子…」


耳元に吹き込まれる掠れた声が僕の神経を敏感にしていく。大きな手で胸を揉まれ、既に反応して硬くなった乳首を擦られて内腿が震えた。


「ん、んーっ…!ぁんん…」


浴室に僕のあられもない声が反響する。これでも必死に我慢はしているけれど、こうも快感を与えられたのでは意味がない。かといって素直に喘ぐのも恥ずかしかった。


太子の手が少しずつ脇腹へと下りていき、膝の上で開脚させられた。当然のように股の間は濡れていて、こんな明るい場所で正面を向けていなくて心底良かったと思った。


泡を流し、指が割れ目をなぞる。


「は…っぅ、ん」


たったそれだけで奥から熱い液が溢れだし、僕の身体はますます火照っていく。


「こっちも、洗わないと」


水滴とは別に粘り気のある液が太子の指を濡らした。膣の入口を撫でていた手が陰部を這い、赤く膨れているであろう淫核をそっと押してきた。


「あぅっ!ふ、ぁ…やだぁ」


「……こっちの方がいい?」


「ァ…あぁ…」


すっかりぬかるんだ秘部に指が第二関節まで侵入する。まるで焦らすような遅さで僕の内側を往復した。


「んっ…あ、ん、あ…」


すぐにでも快感が与えられるはずだというのに、緩いものしか与えられない。意地悪と毒づく代わりに太子を振り返って睨みつければ、柔らかな口づけが降ってくる。


「んうぅ…」


離れてはまた重なって、じわじわと蕩かされていく。


一層密着した拍子に背中に熱く主張しているものが当たって、身体がびくついた。


「……ねぇ、我慢できない。今すぐ妹子の中に入りたい…」


潤んだ瞳でそう言われれば、頷かざるをえない。


「…いいですよ、アンタがそう言うなら…」


「…いいの?」


「はい」


「じゃ、遠慮なく」


膝の裏を捕まれて身体を持ち上げられると、先端から先走りを垂れ流す陰茎が視界に映り、ぱっと目を逸らした。貧弱な身体をしているくせにそこだけ立派なものだから、つい意識してしまう。


「あん…」


普段より濡らされていないせいでキツかったけど、いっぱいまで太子のものを感じられて嬉しかった。


「…は、きつ」


うめき声が耳元で発せられ、その色香に胸が焦げるような心地がした。まったくもって心臓に悪すぎる。


「あ……あぁ」


数回探るように突き上げられれば、それに呼応して身体の奥から熱い液が流れて抽挿がスムーズになった。
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