新作部屋

□魔性のおくすり
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太子が竹中のところに遊びに行くと、「面白いものを手に入れたんだ」と小瓶を差し出してきた。


「なにこれ?」


「薬だよ。イナフに飲ませるといい。飲み物でも食べ物でもいいから、2・3滴混ぜるだけで効果がある」


「へー…どんな効果?」


「ふふ、それは飲ませてからのお楽しみ」


というわけで、太子はポケットに小瓶を忍ばせ妹子の家に押し掛けた。妹子がトイレに行った隙に薬を数滴垂らし、素知らぬ顔でお茶を飲み干す彼を見守った。


そして三十分後、妹子の身体は熱く火照り、性的衝動が次第に強まっていた。理性は既に崩壊し潤んだ瞳で太子を見つめるが、当の太子は気づいてすらいない。


「……太子」


「ん?って、おわっ!」


ずいっと太子に迫った妹子がいきなり口づけてきて、彼はひどく狼狽えた。おまけに股間を擦りつけてくるものだから動揺するしかない。


「い、妹子…どうしたお前…」


「太子、僕…身体が熱いんです。なんとかしてください」


まさかこれは、と太子は思い至った。私が飲ませたのはもしかして媚薬ではないかと。そうでなければあの初心で恥ずかしがり屋の妹子がこんなに積極的になる道理がない。


「太子…たいし……」


懇願するような目で太子を見つめる妹子。焦れたのか彼は太子に馬乗りになってキスを仕掛けてくる。動揺で受け身になっていた太子はなんとか優位になろうと妹子の口腔に舌を突っ込んだ。


「……ん…」


いつも縮こまるはずの舌が濃密に絡み合い、お互いを高めていく。


妹子はなおも自身を擦りつけ、身体中に渦巻く疼きを鎮めようとしていた。


こんな状況で興奮しないわけがなく、太子の昴りも力を持ち始めていた。それに気づいた妹子は太子の上からどいて、盛り上がったそこをゆるゆると撫でた。


「……っ」


「太子の、舐めてあげますね…」


ズボンを下ろして昴りを出し、嬉しそうに頬張る妹子。ねっとりと幹を舐めあげ、頬を窄めて先端を吸い上げる。


「…ぅ、ッ」


口淫しながら妹子は自分の陰茎を取り出し、自慰を始めた。口と手で昴りを慰めるこの光景がひどく卑猥に見え、太子はごくりと生唾を飲み込んだ。


(媚薬の力ってすごいな…ていうか、もう出そう)


妹子が昴りを口から出した瞬間、勢い良く精液が吹き出して妹子の顔を汚した。嫌がる素振りを見せず、彼は指でそれを拭ってぺろりと舐めた。


「いっぱい出ましたね、太子…」


(……やばいな、これ)


ひとまずついた精液をティッシュで拭ってやり、お返しだとばかりに太子は妹子に覆い被さり、啄むように口づける。一瞬舌が絡まったと思えば離れ、妹子が目で強請れば再び重なる唇。だが決して深くはならない口づけに妹子は不満そうに眉を下げた。


「太子…意地悪しないでください」


「ごめん、妹子が可愛いからつい、な」


こうも素直だと調子が狂うな、と呟いてぴったりと唇を塞ぐ。差し出された舌を軽く吸い、口の中に侵入して歯の裏側を舐める。舌先が上顎を掠め、ぶるりと背筋が震えた。


妹子は自身に手を伸ばすが、太子に察知されて阻まれる。手を握られて押さえられ、妹子は甘んじてキスを受け続けた。


「……んん、ふ、ぅ…」


媚薬のせいで性的衝動を抑えられない妹子は身体を捩らせるが、太子に首筋を撫でられた途端に大人しくなった。たっぷりと妹子とのキスを堪能した太子は、今度は耳を軽く食んだ。


「ンぅ…」


真っ赤になった耳を舌が舐めあげ、孔に舌先が潜り込む。


「…ぁ、ん」


いよいよ待ちきれなくなったのか、妹子は嫌々と首を振って示した。まだ焦らすつもりだった太子はしょうがないな、と笑ってもう一度キスを落とした。


ジャージのチャックを下ろしてはだけさせ、下着ごとズボンを脱がせて身体のあちこちに赤い花を散らす。


触れられていないはずの胸の尖りがぷくりと主張し、そこを人差し指でくるくると刺激する。


「や…ちゃんと、さわって…」


「はいはい」


太子は胸に顔を近づけ右の乳首を口に含み、もう片方は指で摘んだ。かり、と甘く噛んでやれば掠れた声が響く。


「ァあっ…アッ」


媚薬がよく効いているらしく、愛撫に敏感に反応する妹子の身体。肌はうっすらと桃色に染まり、汗が噴き出し始めている。
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