旧作部屋@

□目を開けたら隣に君のいる幸せ
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底冷えする寒さで私は目を覚ました。


私の目の前には天使のような寝顔の妹子。思わず顔がにやける。


すやすやと小さく寝息を立て、まだ夢の世界にいるであろう妹子をじっと見つめる。


これだけで幸せだ。だって今、妹子は私だけのものになっているのだから。


昨日の情事で何もまとっていないので、さすがに寒くなった私は同じく裸の妹子を起こさないようにそっと腕の中に細い身体を収めた。


……あったかいなぁ。なんだかすごく幸せ…。


「…妹子」


なんとなく名前を囁いてみる。当然返事はない。


「妹子、妹子……」


ゆっくりと妹子の綺麗な髪を梳く。それが刺激になったのか、妹子のまぶたがうっすらと開いた。


「ん……」


「おはよ」


「おはようございます、太子…」


あまり寝起きはよくないらしく、目がとろんとしている。くしくしと目を擦る仕草はちょっと猫っぽい。


放っておいたらまた眠ってしまいそうな妹子の唇に軽くキスをする。ちょっぴり甘酸っぱい味がした。


唇を離せば妹子の真っ赤な顔。口をぱくぱくさせて何か言おうとしているらしい。


「ふふ、妹子真っ赤だぞ」


「うるさい!誰のせいだこのアワビが!!」


そう怒鳴ると布団に頭まで潜ってしまった。あらら、恥ずかしがり屋さんだなぁ。


「ごめん、妹子が可愛くてさ。ねぇ妹子、出ておいでー」


盛り上がった布団をぽんぽん叩くと顔だけ出てきた。赤面してムスッとした表情だ。そんな顔しちゃって、本当は嬉しいんでしょ?


かたつむり状態の妹子の頭をなでなですれば睨まれる。うーん、今日はご機嫌斜めなのかな。いつも寝起きだともう少しデレてくれるのに。


「……もう!いつまで触ってんですか!」


怒られちゃった。ツンデレの扱い方って難しいなぁ。


明日はデレ妹子になってくれますように!


→あとがき
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