旧作部屋@

□意地悪したくなる
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朝廷には様々な記録や資料を収めた書庫がある。それは離れと建物の中にあり、離れの方は人の出入りは少なく、いつも静まり返っている。


そこで秘密の逢瀬を重ねる者が二人。


「…ぁっ、ん、…あ」


シンとした書庫に妹子の上ずった声が響いた。太子が妹子の昂ぶりを手で扱いたり先端を弄っているのだ。


「アッ…!やぁ…ぁっ」


甘美な快感が妹子の脳髄を性急に侵していく。こうして肌を重ねるのは何度目だろうか。いい加減慣れてもよさそうなものだが、まだ初々しさが消えていない。


「まだイッちゃダメだぞ」


口元にうっすらと笑みを張りつかせて太子は手の動きを緩めた。性交の度に妹子を虐めて愉しむのが習慣になりつつある。


「やだっ、イかせて…」


追い立てられた妹子の頭にはプライドもへったくれもない。ただ太子から与えられる快感を享受したがっている。


「しょうがないなぁ…」


と、その時。


カタン。ギシッ、ギシ…


「っ!?」


書物が取り出される音と、床の軋む音に二人は驚いて動きを止めた。ここからでは見えないが、どうやら入口近くの本棚辺りに人がいるらしい。


どうかこっちに来ませんように。妹子が切実にそう願う傍らで、太子は悪戯っ子のような笑みを浮かべ、耳元でこう囁いた。


『妹子、声我慢できるよね?』


「なっ…!?まさか続けるつもりじゃ…」


「だって我慢できないんだもん、私」


抵抗するなよと目線で示し、太子は怒張したままの欲芯を擦り始めた。


「ンッ…!っ、ん」


とっさに手で口を押さえたので辛うじて声をこもらせることに成功した。だが完全に声が抑えられるはずはない。


妹子はキッと太子を睨みつけたが、涙目では迫力がないうえにかえって嗜虐心を焚きつける結果になってしまった。


太子の舌が胸の尖りを舐め、ぱくりとそれを口に含んで吸い上げる。


「ぁ、ン…っ」


(相変わらず胸が弱いな。女の子みたい)


声が出せないのをいいことに、太子は一層愛撫をいやらしくしていく。蜜に濡れた指先を後孔に埋め込むと、妹子の身体が戦慄いた。


「んんっ…!ゃ、ん…」


妹子はいやいやと首を振るが、ますますエスカレートしていき、奥まで進んだ指が前立腺をひっかいた。


「んぅぅっ!んぐ…んっ」


ここまで快感を与えられては、もう我慢できるはずもない。こらえきれない喘ぎが漏れ、バレるかもしれないのにどうしようもなく興奮してしまう。


「…ん……あっ、ひぁ、やあぁっ……あっ!」


小さく痙攣を繰り返し、妹子は太子の掌に熱を放った。激しい虚脱感に襲われ全身の力が抜けた妹子は床に崩れ落ちた。
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