旧作部屋@

□頑張り屋の君だけど
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そして、私の目に飛び込んできたのは――


「妹子!?」


床にうつぶせの格好のまま倒れて、ぴくりとも動かない妹子の姿だった。すぐさま駆け寄って身体を抱き起こす。


「妹子、おい!妹子!!」


大声で呼びかけて頬を軽く叩いてみたが、まぶたは固く閉じられたままだ。一瞬息が止まってしまったんじゃないかと思い口元に手をかざすと、呼吸はちゃんとしていたのでひとまず安心した。


私はぐったりした妹子を背負い、私室に運び込んで布団の上に寝かせ、急いで医者を呼んだ。


「せ、先生、妹子は大丈夫なんですか!?」


「ああ…過労と、軽い栄養失調だけですよ。落ち着いてくださいませ、太子様」


医者の言葉に私は安堵して大きく息を吐いた。


「よかったぁ…」


「しばらくすれば目が覚めるでしょう。ゆっくり休養を取るように伝えておいてください」


では、と医者は一礼して去っていった。


(妹子、ひどい顔色だ…)


元々色白なのが度を超して青白くなった頬にそっと手を添える。このまま目を開けなかったらどうしよう、そんなことがあるわけないのに悪い方向に物事を考えてしまう。


「……いも、こ」


ねぇ、目を開けてよ。不安になるじゃないか、早く起きて私を安心させてよ。


「起きて、妹子……」


後生だから、お願いだから。


「妹子…!」


「――………たいし…?」
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