Esperanza
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あたしの名前は南々瀬 雪奈。
昨日誕生日を迎えたばかりの六歳です。
でもね?可笑しいんだ。
誕生日をお祝いしてた筈なのに皆床で寝てるの。
そしてね、床が真っ赤なの。
ついでに言えばあたしの手も真っ赤でね。うぅん。手だけじゃないの。
全身真っ赤で何か生臭いの。
だから取りあえずお風呂に入ってその日は寝たの。
次の日起きてもまだ皆寝てるの。
でね?可笑しいと思って頸動脈を触ってみたら皆息を、呼吸をしてないの。
でもねあたし知ってるんだ。
人間ってのは呼吸をしてなかったら死んでる証拠だって。
そしたらね行きなり玄関の扉が開いて黒いスーツを着た人達が此方に向かって来るの。
あたしは恐くなって母さんの部屋に入ってお金とか武器とかその他諸々の物を持って家を飛び出たの。
此処に居ちゃいけないって本能がそう言ってる。
今思えばそれが人生の歯車が廻り始めた瞬間だったのかもしれない。
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