小説:ジュンス片想い編
□Lovin' you
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Chapter 20. Lovin' you
チャンミンがおかしい。
いや、まぁただおかしいのならいつものことだけど(これチャンミンには言わないでね)、なんていうか…挙動不審だ。
仕事中はいつもどおり話したり、笑ったりしてくれるんだけど、ふたりきりになると途端に黙り込んだり、逆にいつもより喋りすぎたり。
最近ではぼくにさわろうとすることもない。
ぼくのそばにくると、なんだかそわそわしてるっていうか、落ちつかなさそうで。
何か言い出そうとしたかと思えば、さっと逃げていってしまう。
どうしたっていうんだろう。
ぼく何かした?
何かあったなら、言ってほしいのに。
怒ってるんだろうか。
でも何を?どうして?
何か怒らせるようなことあったかな。
思い当たらないけど…
そういえばチャンミンって、あんまり怒らないよね。
ていうかなんていうか、怒ってても顔に出さないよね?
拗ねたりしてくれれば、こっちだってまだ対処のしようがあるのに。
でも、ただ怒ってるだけならまだいいのかもしれない。
もし、引かれてたりしたら…
チャンミンと最後にキスをした日を思い出す。
身の程知らずな嫉妬で彼を起こし、ベッドに押し倒して、わがままを言ってしまった日。
不安で、不安で、チャンミンのなかに自分の存在があることを確かめたくて、覚えていてほしくて、名前を呼ばせた。
せがむように泣いて、みつめて、抱きついて、キスをしてもらった。
彼を征服するようなキスをした。
それから…チャンミンが、ぼくの………
今思い出しても恥ずかしくて居たたまれなくなる。
チャンミン、呆れたのかな。ぼくに…
引いたの?
そのどれに?
ぜんぶ?
もしかしてついに…見切りをつけられてしまったんだとしたら…
息苦しさから漏らした溜め息が、ゲームの音に掻き消された。