小説:ジュンス片想い編
□Proud
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Chapter 18. Proud
持ち歩こうか、飾っておこうか。
ふたりで拾った貝の居場所について相談したら、チャンミンに冷たくどちらもやめてくださいと一蹴された。
なんで、と訊くと、誰かにそれは何かと訊かれたらどうこたえるんですか、だって。
そりゃあこれは貝ですってこたえるよ、って言ったら、それ以上会話が続かなかった。
持っていたいけど、壊しちゃいそうだし。
飾っておくにしてもどこに?自分だけの空間ってないからなぁ。
それに、韓国と日本のどちらに置いとくかっていう問題も残る。
結局、どうしようか決めきれないまま、日本の宿舎の本棚(最も誰かにさわられる心配のない場所)に置いてきた。
それでもやっぱり持ってくるんだったかなぁ、と、韓国に向かう飛行機のなかでひとり考える。
でも、年末はとにかく移動、移動で、スケジュールも詰まりに詰まってるから、鞄に入れておいてその間になくしたり壊したりしたらいやだし…
チャンミンはどうしてるんだろう。
結構几帳面なところあるから、棚とかに仕舞ってあるのかなぁ。
要らないものは買わない、そして使えないものはすぐ捨てる主義の彼が、どんな思いであの貝を持っているのか、ちょっと気になる。
移動のたった一時間でも眠ろうかと目を閉じたとき、左どなりに座るユチョンが腕をちょんちょんと突いてきた。
「ジュンス、ジュンスぅ」
「ん。何?」
「右見て、右」
寝たいのに、と思いながら渋々目を開ける。
ぼくの右側にはジェジュンがいて、そのとなりにユノ、いちばん奥にチャンミンがいる。
ぼくは言われるがままに右を見た。
「超ラブラブ〜」
ジェジュンはユノの肩に、ユノはジェジュンの頭に凭れかかって、ふたりは気持ちよさそうに眠っていた。
なんだか親密で、見てるこっちが恥ずかしくなる。