〜砂漠の華〜番外編
哀れな兄上
カ「ふぅ。今日も疲れたじゃん……」
任務を終えたカンクロウは、とぼとぼと帰宅していた。
家が見えて来た、というところで、カンクロウはふと思い出す。
カ「そういえば……」
ここ最近、姉と弟の様子がおかしいのだ。
いや、なんというか、仲が良くなったと言うべきか……協力的になったと言うべきか……。
家族ならばおかしいことなどないのだが……いかんせん、あの弟だ。
「仲良し…?ハッ。あと1ミリでも近づいてみろ、殺すぞ」
なあんて言ってのける弟だ。
その生い立ち故とはいえ家族ですら容易に近づけやしない。
───その弟が今、妙にテマリと仲がいいのだ。
時折リビングで
我「いいか、せめてアイツには絶対サヤを会わせたくない。分かるな?出来れば貴様も今後一切会わせたくない」
テ「ふ、分かってるさ。
あんなに可愛いサヤを誰にも見せたくない気持ちは痛いほどにね」
我「そうだお前にも会わせたくないほど可愛い。だからサヤに構うな」
テ「この前なんか『テマリお姉ちゃんの作ったマフィン大好きっ』って満面の笑みで言われたんだ……鼻血が出たよ」
我「大好き、だと…!?」
テ「うらやましいかい」
我「貴様…っ、」
なんて会話をしていた。
誰だよ、##name1##って。
ていうか会わせたくないアイツって俺か?俺なのか?
……なんて回想してたら
いつのまにか目の前にドアが。
またアイツ等はリビングで会議(という名のケンカ)でもしているのだろうか。
果てしなくドアが重く感じた。
不思議だ。
ガチャ───
カ「ただいまじゃん」
気だるげにドアを開ければ……
扉の向こうは
知らない世界でした。
カ「え、なにごとォォォ!?」
.