夜桜
□一、妖しげな枝垂桜
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「若様ー!!
どこですー?」
氷麗があちらこちら見て回る。
本人に参加の意志の無いかくれんぼは
オレが捕まるまで続く。
『氷…麗…!!
ぅ…ひっく!!」
オレが木陰で泣く(尤も、泣きマネだが)
「若様!?どうなさいましたか!?」
雪女である氷麗は駆け寄って来る。
『…(ニヤッ)
今だぁ!!引けーー!!」
沢山の小妖怪達と共に、氷麗の足元の
円形ロープを引っ張り上げる。
【ブォオォォンッ!!】
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!?
(ぷらーん)え?え?
若!?これは一体…?」
逆さで宙ぶらりんの氷麗を見て
オレは腹を抱えて笑う。
『あっはははは!!
やっぱり氷麗か!!」
オレはニヤニヤと笑ってやった。
つい最近、呂律がよく回るようになった。
「ったく…雪女、いつまでリオ」