小ネタ話
□甘寧×陸遜 Xmasネタ
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聖なる夜、今宵はクリスマスイヴ
静かに降り積もる雪の中、輝くツリーの下で小さな彼を見つけた。
今日、クリスマス前日の日まで2人はなかなか逢うことが無く、久しぶりに見る愛しい恋人の姿を少しだけ遠くから見守る。
待っている間の吐く息は白く、寒そうに両手を擦り合わせて。行き交うカップルに目線をやっては俯く彼の姿が可愛くて、自然と表情が緩む。
「伯言」
少しずつ近付いてそう呼べば、顔を上げて此方に視線が送られる。
「遅いですよ」
拗ねた顔でポツリと呟かれる言葉。そんな彼の冷えた身体を温めるように、強く抱き締めて。
「待たせちまったな?」
クシャッと優しく頭を撫でると、微かに頬が赤くなっているのがわかった。
可愛くて、愛おしくて
たまらない
「伯言、ちょっと目ぇ瞑ってな」
「……?」
指示通り素直に目を閉じた彼の首にある物を絡ませて。時計台の針がカチリと0時を指したクリスマスの日、彼の唇に優しく触れた。
その瞬間、周りの足音や賑やかなざわめきは消えて。2人の空間だけを温かなイルミネーションの光が包む。
そっと唇を離して、表情を窺えば閉じていろといった筈の瞳は開かれ、ますます赤くなった顔はまるでリンゴのよう。
「メリークリスマス」
未だ驚いたままの彼に微笑み、トンと首元を軽く突く。すると反射的にそこへ目線を送った先には大きな真っ赤なリボン。
「興覇…これは…」
「お前が俺へのプレゼントになれ。この中身の意味を込めてな」
そう言ってスルリとリボンを解くと結び目に隠していたらしい小さな箱が現れた。それを手に取って目の前に差し出すと、ゆっくりとフタを開ける。
「……っ…!」
シンプルなデザインの銀の指輪。その意味は当然陸遜にだってわかる。
この先の未来を貴方に
女性にあげるとなれば少し男らしいその指輪が、とても嬉しかった。反応を待つ男の姿はどこかソワソワしていて、照れ隠しからかズズッと鼻を啜っている。そんな一面がまた愛おしくて、そっと左手を差し出した。