小ネタ話
□最期の愛
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「凌統殿、今日も陽が眩しいですね」
「アンタの笑顔には負けるっつの」
2人の会話はいつもここから始まる。初めて出逢った2人が互いに何から話せばいいのかとぎこちなく交わした言葉。それは2人にとって特別で、今では欠かせない挨拶なようなものになっていた
「凌統殿…この戦が終わったら、少し私の話に付き合ってもらえませんか?」
「なんだぃ?もったいぶって…今からでも付き合うよ」
「戦前に出来る話じゃないんですっ」
「へぇ…?まっ、だいたい見当はつくけどねぇ‥?」
「か、からかわないで下さい!」
顔を真っ赤にする陸遜の頭をクシャクシャと撫で回す凌統。2人は互いに想いを寄せ合いながらも、まだ気持ちを伝えてはいなかった。
「さぁて、誰かさんの為にも戦頑張りますか‥」
「…頼りにしています、凌統殿」
そうして戦いは始まった。…この戦で絶望的な運命が待ち受けようとは、誰もが予想できぬまま…
―最期の愛―