総ては雨でした。
□【過去】闇に桜
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大学に入ってから一人でいることはなかった。
下宿に入って、周りには常に人がいたから。
そして、ずっとそばにいてくれた人もいたから。
同じ下宿の先輩。
だいすきだった。
華奢で長身で、心が弱い、やさしい、人だった。
出会って1月で、もう付き合うことになってた。
あたしからの告白。
それからずーっと幸せだった。
意見の違いとかもたくさんあったけど、それは生きていく上で当然生じることだったし、あたしはそれすら楽しんでいたと思う。
4歳年上の人だったけど、すごく中身は子供だったし
泣くことを知らなかった。
封印していた。
それを引き出したのは付き合って、20か月。
初めて別れを切り出した時。
泣くほどに愛してくれていたのに
あたしは、目先の優しさにとらわれていた。
そのころ、あたしはあの人に触れられるのもいやになっていた。
なぜだか、いつの間にか心は冷え切っていたみたいだった。
そんな時に、ずっと前から気にしていたゆうやから、キスを、された。
それであたしはすぐにあの人を切り捨てたんだ。
たった一回のキスで。
そのあと、すぐにゆうやと付き合うことになったけど、サークル内恋愛だったこと、いろいろ面倒なこと、やりづらいことが生じてきた。
お互いストレス溜まって、耐えられなくなったゆうやから、3週間しないうちに別れを切りだされた。
あいつにはあたし以外の人を最初から見ていたんだ。
あたしは通過点にすぎなかった。
だからあたしも通過点にしようと思った。
笑顔でいようとも思った。
もう誰にも流されないように。