紫本（デッシュ×ルーネス）
□departure（出発）
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急に。
大人になった、お前。
『departure』
最初に別れを告げたのは、俺の方。
格好つけて、炎の中へダイビング。
目に焼きついたのは、炎の中でも輝きを失わなかった、紫色。
驚くほどの好奇心で輝き続けたアメジストに、俺を映したあのとき。
幼くて。
綺麗だった。
結局、俺は生きてて。
お前たちも、無事に生きてた。
そして、再会したあのときに。
俺はもの凄く、驚かされた。
幼い瞳は、大人のそれに成長して。
誰よりも強い意志を宿して、輝きを増していた。
そして、旅は終わりを迎えて。
今度はお前が、俺に別れを告げる。
元気に笑って、手を振って。
出会った時のように、何の前触れもなくあっさりと。
最後に目に焼きついたのは。
綺麗な、紫の光。
＊
悩んだ期間は、そう長くない。
待っていた人に別れを告げて、町を出る。
今日は、絶好の出発日和。
その光を、掴んでみたいって。
好奇心じゃない、確かな気持ち。
今もやっぱり、変わらないから。
そろそろ、行くぜ？
（次頁あとがき）