到着した時には真上にあった筈の太陽
それが、いつの間にか、
西へと沈もうとしていた。
今回も、長居をし過ぎてしまったらしい
「また、来るよ…って言っても、アンタ達には聞こえてないんだろうけど…」
けれど―
離れがたくて、
―せめて、陽が沈むまで
と思い、踵を返す。
そんな時だった。
「ねぇ、お兄さん。何で、こんな寂しいとこに独りで黄昏てるの?」
荒野に全く合わない、
柔らかな、
鈴のような声だった。
「…悪かったな。ほっといてくれ」
相手をする気なんて起きなくて、
愛想も無く言い返す。
すると、
「可愛くねぇ〜なぁ〜。眉間に皺ばっか寄せて、溜め息ばかりついてると幸せが逃げるぞ〜」
また違う声がした。
今度は、
まるで、アイツみたいな軽い口調で―
「余計なお世話……っっ」
言い返そうとして、
声の主達を捉えた瞬間、息を忘れた。