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□きずあとのきず
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闇の訪れない季節。
いやがおうにも浅くなる睡眠。
身体を起こすと、小さく軋む寝台。
乾いた唇を舐めて、隣りに居ない温もりに僅かに眉根を寄せた。
寝室と居間とを隔てる扉を越して、微かに不思議な匂い。
小さく欠伸を零してから、ごそごそと起き出す。
窓掛けの隙間から漏れる、気だるい陽光。
気持ちまで、だるくする。
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