残像



総ての望みが
叶ったと思った

この腕の中に
ぬくもりを感じて

もう
独りじゃないと

そう
思った





ただ逃げたかった

どうしようもない現実から



目を逸らす事は
出来なかった

元に戻せるものなら
何だってしよう
この身も喜んで捧げよう

いくらそう願っても
いくらそう祈っても

もう
戻らない



指先に伝わるのは

本当にどうしようもない

冷たさだけ――



eND  


…遺ったものは。 




 


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