BOOK

□純愛シンドローム
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北山side






「宏光、」



横尾さんー・・・渉は、ずるい。





仕事中、二人きりでの楽屋。

普段は仕事場で名前でなんか言わないのに。


ふとした時、俺をドキドキさせる。





「どうしたの、・・・横尾さん」


ドキドキさせたお返しに"横尾さん"とわざと名字で呼ぶ。




「・・・名前で、言って?」


大人の色気を含めた、普段よりも少し大人っぽい声でそう言う渉はずるい。





「なに、ー渉」


「・・・なんでもない」


「なにそれ。」


「だって、ー可愛かったから」



キュン。


高鳴る胸にほんのり赤くなる顔。

それを見て、横尾さんはまた、"可愛い"って言う。



ドキドキ、どきどき。


なんだか全てを見透かされているような気がして、ちょっと悔しい。



でも、・・・いっぱい嬉しかったり、して。






「・・・渉、」


「ん?」




「き、キス、して・・・?」




ドクドクと高鳴る鼓動のままに言葉を発する。


やばい。

俺、熱でもあるのかもしれない。



・・・キスして、なんて言ったのも初めてだし、楽屋で名前を呼ぶのさえ初めてで。





「キス、して欲しいの?」


渉は少し意地悪そうにそう微笑む。

そんな君に惚れてしまっている俺は、その微笑みさえも愛しくて。




「ーうんっ、キス、してっ」




ちゅ、



唇と唇が重なるだけのフレンチキス。

君のー・・・渉の温もりが直に伝わってくる。






「ね、渉っ」


「なに?」




「大好きっ!!!」



「ばーか、俺も。」








純愛シンドローム










((君が居れば、幸せ))






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