BOOK

□君との恋はアンダンテ
2ページ/2ページ


玉森side






「玉ー」



どきっ。




「な、なに?」



やっと恋人になれたというのに、俺はまだ貴方にドキドキしっぱなし。

・・・ミツ。


凄く凄く好きで、本当に好きで。



ミツから告白された時は思わず泣いちゃったくらい。



だから、まだ名前を呼ばれるのもドキドキして、

・・・き、キス、とか、本当無理・・・っ



恥ずかしくて死んじゃうんじゃないかってさえ思う。






「ねえ、玉はさ、・・・俺のこと好き?」


「・・・え。勿論、その、ー好き//」



そんなこと、聞くなよ!
恥ずかしいじゃん!

なんて思いつつ、なんで聞いたのかなって不思議に思った。



ー俺、冷たかったりでもしたのかな?


ずっと恥ずかしがって、本当照れちゃって、それで嫌いなのかって思っちゃったのかな。



誤解されてるのが嫌で。

だってだって、こんなに好きなのに。





「お、俺はミツが大好きだよっ!」



自分でもびっくりするくらいの大きな声でそう叫んだ。

ミツは、驚いた表情してから、あはは、と笑う。




「笑うなんて、酷い・・・」


「ごめんごめん。・・・だってさ、可愛くて」



そう言われて頭を撫でられた。

キュン。


それで全部許しちゃう自分が、相当好きなんだなって思い知らされる。





「なんで、好きかなんて聞いたの?」



俺がそういうと、ミツはちょっと口ごもりつつ、こう言った。




「いや・・・キス、したいなって思って、一応」



キスとか、恥ずかしいし、無理。なんて言ってたのに。

そう言われるとやっぱ嬉しくなる自分が嫌い。


ミツはやっぱり嫌?と尋ねる。


嫌なわけ、ない。









「あのね、ミツ、・・・キスして」



多分人生でベストスリーに入るだろう大胆な発言をした。

これ、超恥ずかしいんだけど。


真っ赤な顔が隠せないのも、恥ずかしい。



ミツはそっと俺に近づいて、二人の影が重なった。



二人のファーストキスの味は、甘い。











君との恋はアンダンテ













((ゆっくり、それでも確かに))

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ