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□空気に紛れた吐息と囁き
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北山side
別れを告げたら、藤ヶ谷に抱きつかれた。
「別れたくないよ・・・っ」
ーなんで。
そっちから離れていったのに。
「藤ヶ谷、」
「俺、みっくんに嫉妬しててっ、
みんなに、優しいし、好きって言ってくれないし・・・っ、」
俺の、せい?
「好きって言ってくれないって、」
・・・馬鹿だろ。
俺に抱きついてる藤ヶ谷は、微かに震えていて。
「藤ヶ谷・・・」
「な、に?」
「本当、冷たかったよな」
「ご、ごめんっ、俺・・・」
ぎゅ、
俺は藤ヶ谷を抱き締め返した。
「っ、みっくん!?」
「馬鹿。
・・・もう、なんて言われようが別れてやらねえから」
「ー・・・!うん・・・っ」
藤ヶ谷はほっとしたように笑う。
「 、」
「え、みっくん、今なんて・・・」
「教えてやらねえよ」
「好きだよ、」
空気に紛れた吐息と囁き
(俺、聞こえなかったんだけど、)
(いいんだよ、それで)
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