BOOK
□空気に紛れた吐息と囁き
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藤ヶ谷side
「藤ヶ谷、別れよう。」
二人っきりで楽屋にいるときに、言われた言葉。
「っ、なんで・・・!?」
「もう、・・・無理だろ、俺たち」
みっくんはそう言って、俺に背を向けた。
俺は、みっくんに嫉妬してた。
みんなから好かれていて、誰とでも仲良くて。
恋とかそういうのじゃないって解ってても、嫌で。
それで、ずっと冷たくしてたから?
ずっと避けていたから?
「やだっ、俺、別れたくないよ・・・っ」
刹那、みっくんに抱きつく。
身長に比例しない、広い肩幅。
"藤ヶ谷、"
切なそうに俺の名を呼ぶ、みっくんの声が聞こえた。