BOOK

□それを恋というのでしょう
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藤ヶ谷side





「藤ヶ谷、」


歌声とは違う低い声が俺の名を呼ぶ。



「なに、みっくん」


なんだか、曖昧な距離。

デビュー出来て嬉しかったし、それなりに売れて、悪い事なんて一つもないのに。


心はずっともどかしくて。



ああ、まただ。

みっくんに会うと、いつも胸が苦しくなる。



「どうかしたの?」


俺はこの胸の苦しみを紛らわすために、笑いながらみっくんに話しかけた。



ぎゅ、



「・・・っ!?」


抱き締められ、た?



「俺・・・、藤ヶ谷が好きだ」


どくん、どくん。


言葉を理解すると同時に、胸の鼓動が早くなる。



「な、に・・・、言ってんの?」


「だから、俺は・・・、藤ヶ谷のことが好きだ」



どうして、いつも、こんな。

俺より身長小さくて、俺より童顔で幼く見えるのに。



「・・・付き合って、欲しい」


「・・・・・、」




ぎゅっ、



この胸の痛みなんか、本当は何か解ってた。

でも、なんだか認めたくなかった。



ー・・・みっくんが、好きだなんて、。




「・・・俺も、好き。」



俺がそう言ったら、みっくんにもっと強く抱き締められた。

意外にも力が強くて、こんなに男らしかったんだ、とつい思ってしまう。




「好きだよ、みっくん」





それを恋というのでしょう

(俺の方が好きだよ)











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