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□空気に紛れた吐息と囁き
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北山side






「あ・・・ごめん、」


手と手が触れあった瞬間、反射的に離される。



「・・・別に。、」


いつからだろう。

こんなにも距離を感じるようになったのは。






「好きです」


藤ヶ谷の方から告白されて。

"俺から言いたかった"って俺も告白して。


あんなに楽しかったはずなのに。



グループでに楽屋に居るときは常に俺と距離を置いて、
大抵、横尾さんや二階堂達と話している。




ー・・・俺が、藤ヶ谷の恋人なのに。


楽屋で二人きりの時はいつも黙って、
どうかしたのか、って聞いても何でもない、って返ってくるだけ。




ああ、俺たち、もう駄目かな。

なんとなくそう感じた。




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