捧げ物

□その出会いは宝
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「ほうほう、これが気に入ったか」
隊首会が終わり、隊長達が各々の隊舎に戻るなか、その場に留まったのは数人の人物。
先程特に強く冬獅郎に興味を示した浮竹、京楽、銀嶺。
そして浦原と夜一だ。
卯ノ花も冬獅郎が気になっていたようだが、急ぎの仕事があると残念そうに隊舎へ帰っていった。
注目の的である冬獅郎はというと…
「あーう…だぁ?」
「これ、そう引っ張るでない」
赤子に長い髭を引っ張られ、口では何と言っても満更でもなさそうなのは総隊長その人。
冬獅郎は今、総隊長の膝の上にいた。
「本当に可愛いなぁ…俺と名前の響きも似てるし…」
「こうして並んでるとまるで家族だねぇ」
祖父と父と孫…
まさにそんな光景だ。
だが…
「ダメっすよ!冬獅郎サンはウチの子っスから!!」
赤子の白銀の髪と浮竹の白い髪は確かに似ている。
…もちろん、どちらとも血の繋がりはないのだけれど。
それでも…今のこの子の父親は、アタシだ。
「わかってるよ、冗談冗談」
「本気で君の息子をとったりしないさ」
少しだけ本気だっただろうという喉まででかかった言葉はなんとか飲み込んで。
「あぅ!あ゛ー」
赤子の小さな手がこちらへと伸ばされる。
ご指名じゃという総隊長の言葉に促され、浦原は愛し子を抱き上げた。
「また会わせてくれよ。それくらいはいいだろう?」
皆が暖かい微笑みで浦原と冬獅郎を見る。
「もちろんッス!!いっぱい遊んであげてください!」
浦原もまた同じく微笑みを浮かべ、そう答えた。


赤子を取り巻く多くの出会い。
今はまだその先に待つ別れを知る由もなく…
けれどこれはすべて赤子にとって…いや、全員にとって宝とも呼べる運命の出会い。
遥か未来へと続く、絆の始まり…











五万打企画、青様に捧げる長編設定で日番谷幼少時代でした。
幼少というか…まだ拾って間もないころになっちゃいました。
総隊長や浮竹達との最初の接触です。
こうして親馬鹿が大量に生まれていきます。

こんなものでよろしければ青様のみお持ち帰り等お好きにどうぞ。
改めまして、リクエストありがとうございました!
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