捧げ物

□新たに始まる絆
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それは遠い記憶。
一枚の写真がなければきっと顔も思い出せないほど、おぼろげな記憶。
それでも彼らを覚えていたのは…心のどこかで彼らと繋がっていたいと思っていたからだろうか…
捨てようと思えばいつでも捨てられた写真を持ち続けているのは彼らに…再び会いたかったからだろうか…




「良く似合ってるよ、シロちゃん!」
まるで自分のことのように嬉しそうに言ったのは姉代わりの雛森。
己が纏うのは真新しい死覇装。
今日から正式な死神として、この護廷十三対に所属することとなる。
「シロちゃんは一番隊に配属になったんだよね。あたしのいる五番隊はそんなに遠くないから、困ったことがあったらいつでも来ていいからね」
「おー…」
何かにつけてお姉さんぶりたがる雛森にてきとうな返事を返しておく。
彼女に頼るようなことにはできればしたくない。
「もう、シロちゃんったらあんまり聞いてないんだから!」
「…んなことねぇよ。頼りにしてる。ほら、早速だが聞きたいことがあるんだが…」
「え?あ、うん!なんでも聞いて!」
ご機嫌取りの意味が含まれていないと言えば嘘になるが、聞きたいことがあるのは本当だ。
聞きたいこと…それは彼らのこと。
護廷十三隊隊長の座にいるであろう、記憶に残る彼らのこと…
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