捧げ物

□あなたは自慢の…
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「各隊対抗模擬試合…ですか?」
それは六番隊の副隊長になって何度目かの夏のこと。
隊首会から戻った朽木隊長から聞かされたのは初めて聞く行事だった。
「兄はまだ参加したことがなかったな。これは何年かに一度、総隊長の思いつきで開催される大会だ」
―各隊対抗模擬試合―
文字通り各隊の代表が試合を行い、その優位を競う大会だという。
隊長、副隊長、席官の三部門に分かれ行われ、総合点の高かった隊には総隊長から褒美も出されるらしい。
実際に参加する死神にとっては己の力を試す良い機会。
平隊員たちにとっても隊長格の試合を見られるまたとない機会だ。
総隊長もたまにはいいことを思いつく。
「えっと…副隊長部門もあるということは…俺も?」
「うむ。兄も参加することになるな」
副隊長同士の交流はそれなりにある。
軽い稽古を共にしたことも何度かある。
だが、試合というのは初めてのことだ。
「詳しいことは追って知らせる。それまで修練を怠らぬようにな」
「はい」
…なかなか面白くなりそうだ。
それに、これに勝てば六番隊は名誉を得られる。
朽木隊長からも…より強い信頼を得られるかもしれない…
冬は気合十分に大会へと臨むのだった。
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