捧げ物

□ある日の君と僕
1ページ/2ページ

二学期が始まり、やってきたのは個性豊かな転校生。
その中で、あの子は目立たない子だった。
否、目立たないというのは語弊がある。
どう見ても小学生くらいしかない身長に見事な銀髪。
人形みたいに整った顔をしているのに眉間にはいつも深いしわ。
外見的には目立つなという方が無理だろう。
だけどその子は大人しいというか…
騒がしいメンバーの中で、一人一歩引いてそれを眺めている。
時折騒ぎ過ぎる彼らを怒鳴りつけたりするけれど、基本的にはあまりしゃべらない。
夕日の差し込む窓際の席で一人本を読む…なんてシチュエーションが似合いそうだなどと思ったものだ。
でも、彼が一人のところをあまり見たことがない。
彼の周りにはいつも誰かが傍にいる。
人を惹きつける何かを持ってるんだ…そんな風に見えた。
だからこそ笑ったらきっと可愛いのに…なんて。
馬鹿なことを思ったりもした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ