捧げ物

□君の名を
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『なぁ、冬獅郎』
『日番谷隊長、な。…なんだ、黒崎?』
『そう、それ!!それだよ!!』
『それ?』
『その、黒崎ってのやめねぇ?折角こうして両想いなんだしさ』
『なっ…誰と誰が両想いだ!俺は別にお前のことなんか…』
『…嫌いなのか?』
『う…嫌いじゃ…ねぇけど…』
『だよな!好きだぜ、冬獅郎!』
『っ…勝手に言ってろ』
『ああ、何度でも言ってやるよ。好きだ冬獅郎。大好きだ!だから…一護って呼んでくれよ』
『…てめぇが日番谷隊長って呼ぶなら考えてやってもいい』
『ってそれじゃあ意味ねぇだろ!!』

そんなやり取りを交わしたのは何日か前のこと。
素直じゃなくて意地っ張りで照れ屋な恋人は結局名前を呼んではくれなかった。
けれど、後日彼の副官から聞かされた内容に俺の心は喜びに震えた。
『隊長、一人でこっそり一護って呼ぶ練習してたわよ』
今すぐに抱きしめたくなった。
抱きしめて…口づけて…とにかく傍に居たかった。
…幸せだった。
戦いの最中だということはわかっているけれど…
ただ、共に居られることが喜びであり、幸せだった。
けれど…その幸せは、あの男によって踏みにじられた…
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