2

□巡りし光の行方4
1ページ/3ページ

それが訪れたのも、やはり夜だった。
町に降り立ったのは二つの大きな霊圧。
知らない力のはずなのに、なぜか懐かしく感じる…
朽木ルキアの時と同じだ。
胸がざわざわと落ち着かない。
来訪者を歓迎しているかのような…同時に拒んでいるかのような…
自分で自分の感情が理解できない。
不意に、バタンとドアのしまる音が聞こえる。
おそらく兄が来訪者の元へ向かったのだろう。
「…」
己の中の何かが追えと言っている。
だが、別の何かは行くなと言っている。
―引き返せなくなる―
先日の男の言葉がよみがえる。
いったい…何が起ころうとしているのだろうか…
己は…どうしたらいいのだろうか…
「…」
ここで悩んでいても何かわかるわけじゃない。
兄のことも心配だ。
それに、じっとしているのは性に合わない。
引き返せない?上等だ。
何もせずに後悔するよりずっといい。
戻れないならば戻らなければいい。ただ前に進むのみ。
そして、冬雪は兄を追うように自宅を後にするのだった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ