脱色
□見ない方がいいって物もあるんだよ
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市丸ギンは可愛いと思う。
最近私の隊の三席に入隊した市丸ギンはまだほんの子供だ。
ギンを一言で表すと、とりあえず可愛い。物凄く可愛い。
あのニコニコした口も目も愛らしいし、入隊直後に三席殺せる位強いし、名前の通り銀色の細い絹糸のような髪も綺麗だ。
とりあえず可愛い。
現世では私のような者をしょたこん、変態と呼ぶらしい。
しょたこん、実にいい響きだ。
素晴らしい。
「藍染隊長、なに一人で笑てはるの?キモいで」
ああ、忘れていた。
このやんわりとした京都弁もギンの愛らしさの一つだ。
本当可愛いな。
しょたこんとは主に小さな男の子が好きな者を指すらしい。
だが、そしたら私は違う。
小さな男の子などに興味はない。簡単に言うとギンにしか興味がないんだ。
それにギンは大きくなったって綺麗だろうからね。
あのまま育ったら、それはそれは美人になることだろう。
最近気付いた事だが、ギンの稀に見開かれる空色の瞳も綺麗だ。
「…藍染隊長。何してはるんですか?」
「いや、どうしたら瞳を見せてくれるのかと思ってね」
「せやからって、僕の進路塞がんといてくれません?ぶっちゃけ邪魔ですわ」
ギンの良いところをまた一つ見つけた。
毒舌なところがたまらない。
あな綺麗な顔で毒をはくところがギャップ萌えだ。はあはあ。
いや、でもあの綺麗な顔が歪むのもきっと綺麗で可愛らしいんだろう。
いつかやってみたいものだ。
この頃よく思うが、ギンはまず市丸ギンという名前からして美しいと思う。
少し前まで本当に小さな子だったのにちょっとずつ大きくなってきて予想通り美しい。
私の目に狂いはなかった。
あの細い腰…はあはあ。
ギンは少し細すぎる気がするのだが。
まあそんな所も含めて全てが素晴らしい……
「…乱菊さん」
「何も言わないで雛森。私も現実を受け止めるのに必死なの」
「なんでこれ…藍染隊長の字でこんなものが…」
「知らないわよ…私も少し心配になってきたわ。ギン、藍染と一緒に行って大丈夫だったのかしら…?」
見ない方がいいって物もあるんだよ
(ウルキオラ、これ見ろよ!)
(…藍染様の字だ…!!)