□奏でるのは愛の歌
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裏切られたということよりも、ああ、やっぱりアイツなのか、という敗北感の方が大きかった。これは内緒の話だけれども。

彼の顔を思い出すきは、だいたいが愛想笑いか何かに怯えたような顔ばかりだ。それなのに、彼がアイツを見るときだけはひどく幸せそうな顔をしていたのを覚えている。幸せそうなのに、どこか切ない。

その表情を見た瞬間か彼に惹かれたとともに、アイツには敵わないと悟った。
俺は何をしてもアイツには勝てなかったから、そんなの今更といってしまえば今更だ。


俺があの笑顔をつくりたかった。
守りたかった、のに。



「ベルトルト」



奏でるのは愛の歌
(まあ、失恋の歌なんだけどね)


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