銀魂 普

□同類の愛を捧ぐ。
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ポタリ、嫌な臭いに振り向けば案の定異様な姿の総悟がいた。
…私からしたら普通だけど。


「のぶめ」
「なに」
「愛してる」
「そう」


総悟は人を斬った直後のただならぬ空気を纏ってこうして呟く。
そんな気持ちが分からなくもない私は、私と総悟はもう人間じゃないのかもしれない。


「のぶめ、」
「なに」
「ちょっと付き合え」
「っ、」


返事なんて求めてない。
いきなり刀が降り下ろされる。

私は、総悟と刀を交えるのは好きだ。
冗談とかじゃなくて本気で。
多分、総悟もそうだと思う。
人殺しの勘だけど。


「今日の奴等、直ぐに逝っちまって」
「つまんなかったのね」
「まあ、そんなところ」


この関係をなんて言うかは知らないし、そもそも名前をつけようなんて思わない。
ただ私は総悟が好きで、総悟も私が好きで。
恋人なんて甘ったるいものじゃないけど。


「ふ、」
「なに」
「総悟、私の事好き?」
「愛してるって」


にこり、笑った総悟が愛しいと思う。
刀を交えたときに伝わる強さが愛しいと思う。


つまりは。






「私も、愛してる」






同類の愛を捧ぐ。
(私達は人殺しだから)
(幸せにはなっちゃいけないかな)
 

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