銀魂 普

□拝啓、馬鹿兄貴
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拝啓、バカ兄貴






こうして改まって手紙を書くのはもしかしたら、
初めてかもしれません。


バカ兄貴へ。
お元気ですか?



今日はちょっとした気まぐれでこれを書きます。

本当にただの気まぐれアルからな、別に意味はないアルよ。



昔から神威は強い人とだけ戦ってきたアルよな。
弱かったら家族でさえ簡単に捨てて、強かったら家族でさえ殺そうとして。


正直、嫌いネ。
そういうところ。


…だけど、あの頃私本当は寂しかったヨ。

本当は嫌だったヨ、
神威が勝手にどっか行って、興味ないとか言われて、パピィの腕とって…


あの時、まだちっちゃいガキだったネ。


…まあ、昔話はいいアル。



今の話に戻します。


今、銀ちゃんがいて新八がいて定春がいて万事屋なんていう胡散臭い仕事もしていて、


遊びから帰ってくれば、必ずおかえりと言ってくれます。

逆に待っていれば、必ず帰ってきてただいまと言います。




当たり前の事ネ。
だけど、幸せアル。




戦うことなんかよりも、
ずっとずっと幸せアル。


これ以上書くと長くなりそうなのできります。


最初で最後の手紙になると思います。

返事はいりません。




敬具

神楽








「おい、定春の散歩行くぞー…って何書いてんだ神楽、」
「なんでもないアルっ!!」
「今日は天気いいから気持ちが良いですねー…」



こっそりバカ兄貴への手紙をポケットに入れて万事屋を出る。


届くかなんて分からない。
読んでくれるかも分からない。


でも手紙を読んで、戦いを求めるアイツが、
少しでもこの温かさに気付いてくれるといい。





拝啓、バカ兄貴
(大好きな人といる幸せを。)

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