銀魂 腐

□愛しい人
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最近沖田さんがおかしい。

自分でもまだ夢を見ている気分だけど、僕と沖田さんは一ヶ月前から付き合っている。
お互いに暇なときは遊んで、電話だって毎日してて、それなりに充実してたんだけど。

一週間前から電話が繋がらなくなってしまった。
それだけならちょっと寂しいだけで終わったんだけど。


昨日たまたま買い物中に巡回中の沖田さんと土方さんに会った。
凄く久しぶりなのに、沖田さんはどこかよそよそしくて。
ぎこちなかった。


そうまでされたら、不安になってしまう。



「って事なんですよ」
「そうか、悪いな」

屯所まで行ったら、迎え入れてくれたのは珍しく土方さんだった。
沖田さんに会いに来たことを伝えると、少し難しそうな顔をして広間へ通される。
総悟に会う前にとりあえず話をしなきゃならない、と――。


――丁度一週間前の夜。
真選組では討ち入りがあったらしい。
そこに斬り込み隊長の沖田さんが一番に飛び込むのは当たり前の事で。
だから、一番人を斬らなきゃいけないのは沖田さんで。

その日も何も変わらずに、沖田さんは仕事をしたそうだ。
パッと見、変わった様子はないように思えたが、その日から沖田さんの様子がおかしくなったらしい。

気付くと刀を握り締めていて、
かと思えばまるで脱け殻になったようにぼーっとしたり。
とにかくおかしいと。


「討ち入りが原因ではあんだろうけどな。俺達が何言っても大丈夫の一点張りだ」
「そうだったんですか…」


だから、アイツを頼むな。
沖田さんの自室に案内されながらポソリと呟かれる。
なんだかんだ言って、土方さんも沖田さんの事が大事なんだろうなとか思ったり。



「誰ですかィ?」



いつの間にか沖田さんの自室に着いていたようで、透き通った細い声が聞こえた。


「万事屋のメガネだよ。お前に会いに来たんだと」

そう言って土方さんは、じゃあなとだけ言ってどこかへ行ってしまった。
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