銀魂 腐

□たとえばの話
1ページ/1ページ






『ねぇたとえばの話、もし俺がアンタの敵になったとして、アンタに斬りかかってきたとして、アンタはどうしやすか』


『…は?』
『アンタは俺を殺せますか』



いきなり何を言うかと思えば、
なんだコイツ。

いつになく真剣な目してんのが腹立つ。



『…お前が真選組の敵だったら迷わず斬るよ』



そう言ってやれば、何故か安心したように笑って。
なんか、本当ムカつくコイツ。

なんつーか、たとえばの話じゃねぇみてぇで。



俺は、その時の違和感にすぐ気付くべきだったんだ。





「総悟…」
「久しぶりですね、土方さん」

何ヵ月かぶりに見た総悟は、髪がのびたり服が変わったりしてガキっぽさが消えた。




そして、
瞳に人斬りの色を映していた。




「何でお前高杉のとこに」
「昔、」


「アンタァ、俺を殺すって言ってやしたよね」


理由も聞かせてくれないのか。

きっぱりと言いきる総悟に迷ってる様子はなくて、なんだか酷く悲しくなった。


「…ああ。言った、な…」
「ふふっ…」


カシャ、と刀を握る音がする。
殺気が痛いぐれぇでけぇ。




「本当に殺せるか…やってみやしょうよ?」




戻れないのか。

お前は俺達じゃなくて、高杉の野郎と共に歩む方を選んだのか。


駄目なのか、もう。



「…ああ、そうだな。」



大丈夫だよ。
お前がそっちの道を歩くなら、



お前を斬るのは、俺だから。



「…俺、土方さんのそういうとこ好きですぜ」
「はっ。昔と今じゃ違うんだぜ総悟。今強いのはどっちか、教えてやるよ」
「ははっ、そっくりそのままお返しやすよ」




さあ、
勝負と行こうじゃねぇか。




END
(たとえば俺が、)
(お前を好きだったとしても)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ