銀魂 腐
□たとえばの話
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『ねぇたとえばの話、もし俺がアンタの敵になったとして、アンタに斬りかかってきたとして、アンタはどうしやすか』
『…は?』
『アンタは俺を殺せますか』
いきなり何を言うかと思えば、
なんだコイツ。
いつになく真剣な目してんのが腹立つ。
『…お前が真選組の敵だったら迷わず斬るよ』
そう言ってやれば、何故か安心したように笑って。
なんか、本当ムカつくコイツ。
なんつーか、たとえばの話じゃねぇみてぇで。
俺は、その時の違和感にすぐ気付くべきだったんだ。
「総悟…」
「久しぶりですね、土方さん」
何ヵ月かぶりに見た総悟は、髪がのびたり服が変わったりしてガキっぽさが消えた。
そして、
瞳に人斬りの色を映していた。
「何でお前高杉のとこに」
「昔、」
「アンタァ、俺を殺すって言ってやしたよね」
理由も聞かせてくれないのか。
きっぱりと言いきる総悟に迷ってる様子はなくて、なんだか酷く悲しくなった。
「…ああ。言った、な…」
「ふふっ…」
カシャ、と刀を握る音がする。
殺気が痛いぐれぇでけぇ。
「本当に殺せるか…やってみやしょうよ?」
戻れないのか。
お前は俺達じゃなくて、高杉の野郎と共に歩む方を選んだのか。
駄目なのか、もう。
「…ああ、そうだな。」
大丈夫だよ。
お前がそっちの道を歩くなら、
お前を斬るのは、俺だから。
「…俺、土方さんのそういうとこ好きですぜ」
「はっ。昔と今じゃ違うんだぜ総悟。今強いのはどっちか、教えてやるよ」
「ははっ、そっくりそのままお返しやすよ」
さあ、
勝負と行こうじゃねぇか。
END
(たとえば俺が、)
(お前を好きだったとしても)