銀魂 腐

□呼吸停止3秒前
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目の前が、霞む。


浅い呼吸を繰り返す。
吸っても吸っても酸素が足りない。


身体が動かない。





「…っ、は……」




やっちまった。


まさか、こんな所で終わりだとはな…

息が苦しい



こんな景色に似合わず、
辺り一面に桜が舞い踊っている。


あぁ、綺麗だ、
なんて呑気にそんな事を考えた。



「…………!!!」
「…?!」


周りで自分の名前が聞こえた気がしたが、
それに応えてやれるだけの体力など残っていない。



そういえばアイツはどうしただろう。


俺がいなくなったら、

悲しむだろうか、喜ぶだろうか、怒るだろうか



どうせなら、
最期くらい、


俺に一度だって見せた事がないような、


本当に心から笑ってほしいもんだ



アイツの笑顔を見ながら死ねたら、

――ああ、なんて幸せ。




「………………?」




あ。




「………………!!!!?」




やっと来たのか、
おっせぇよ


もう、呼吸をすることさえキツいんだ


さっさとこっちきて、
好きなだけ笑ってくれよ



アイツの走る音が聞こえる。
アイツの気配。



やべぇな、
目開けてンのもキツい。



そうだ、
もうコイツの顔見たらさっさと閉じちまおう。



「…………、………」



おぃ、
そんなちっちぇえ声だと聞こえねーよ。


なあ、





なあ……?








「        !!!!」







――最期の最期に見たアイツの顔は、


俺が望んでいた笑顔なんかじゃなくて、



でも
俺が一度だって見た事のない酷く歪んだ――




アイツの泣き叫ぶ顔






掠れて音にはならなかった最期の最期の俺の声は、




お前のなまえ、

俺のこころ





『   、     』








END
(最期の最期、確かに君の叫びを聞いた)
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