銀魂 腐弐

□それが君の願い
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「俺はさ、お前が死んでも泣かないけど」


団長こと、神威が唐突におかしなことを言うのは別段珍しくもない。というよりはそれが常である。今もそうだ。



「俺が死にかけた時にとどめをさしに来た奴が何抜かしてんだ」
「そりとこれとはまた別だヨ」



そもそも、夜兔族である俺達は滅多なことがない限りは死とは程遠いところにいる。俺にはその質問自体が無意味に思えてならない。


神威はニコニコと張り付けた笑みを崩すことなく、(だから何を考えているのかは分からない)赤い髪を風でなびかせる。



「アンタァ、人の死なんかにゃあ執着しねえもんなァ」
「そう?これでも阿伏斗の死には執着してるつもりだけど。」
「どの口が言いやがる」



他人という他人全ては神威の眼中にない。
神威の血に飢えた瞳はいつも強い奴を、強い血を探している。



「それでさ、阿伏斗が死んでも俺は泣かないけど、」




「俺が死んだらお前は泣いて」




わがままで、夢想家だ。


神威が死ぬなんてあり得ない。


こんなときでもポーカーフェイスは崩れない。上げられた口角も、細められた瞳もそのまま。何を考えているんだ、このすっとこどっこい。だけど。



「…俺ァアンタについて行きますよ、団長」



こんなガキのわがままを聞いても良いなんて思った時点で俺の負けだろう。
どうやら俺は、自分で思うよりもこのガキに絆されているらしい。



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