Starry☆Sky
□Happy Birthday
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月子は、持っていた紙袋を僕に差し出す。
「これ、みんなからの誕生日プレゼント」
中を見ると、月子は楽しそうに一つ一つ説明していく。
「これが、錫也からのレシピ。
最近また腕を上げたんだよ」
「それからこれが、哉太からの天体写真集。
哉太イチオシの写真家さんだって」
それからクラスのみんなや先生からの手紙がね、と月子は楽しそうに話す。
そして一通り説明が終わると、月子は真剣な顔になった。
「そして、最後は私からのプレゼント。
要らなかったら、ごめんね」
月子はそっと僕の唇に、そっと触れる。
そして、僕の首にマフラーを巻いた。
「羊君、誕生日おめでとう」
手編みのマフラーは、あまり綺麗な出来映えでは無くて、でもとても暖かい。
四苦八苦しながら編んでいる姿が目に浮かぶ。
「ありがとう」
僕はロング丈のそのマフラーを、半分月子の首に巻く。
「ねえ、来年の誕生日は、月子自身が欲しい。
勿論その時、月子のファミリーネームは変わっているだろうけどね」
僕が耳元で囁くと、月子は顔を真っ赤に染めた。
今から来年の誕生日が楽しみだよ。
→あとがき