Starry☆Sky
□Happy Birthday
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しばらく抱き合った後、僕たちは少し散歩に出た。
人前で手を繋ぐことさえ恥ずかしがる月子は、僕が不意討ちで唇を重ねると、もっと赤くなった。
それがあまりに可愛くて、アメリカでは挨拶のハグやキスは普通だ、ということは敢えて言わないでおく。
「ねえ、どうして急にアメリカに?」
僕は尋ねる。
会えたのは嬉しいけれど、その場のノリで来れるような距離ではない。
「急にじゃないよ。
少し前から予定してたの」
そして月子は、ケータイを取り出す。
「でも、伝えようと思ったら、ケータイが壊れちゃって」
月子のケータイの画面には、大きな亀裂が入っていた。
電源ボタンを長押ししても、電源はつかない。
だから連絡がとれなかったのか。
「今日さ、なんの日か知ってる?」
月子に尋ねられて、僕は考える。
流星群はまだだし、研究の発表はもう終わった。
今日は何かあったっけ?
「やっぱり忘れてる〜。
今日は、羊君の誕生日だよ」
ああ、そうか。
月子の誕生日なら忘れないんだけどな。