Starry☆Sky
□Happy Birthday
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「アンリ、ご飯よ」
母さんに呼ばれて、僕は食卓につく。
今日のメニューは日本食。
日本から帰国してから、母さんはよくおにぎりを作ってくれるようになった。
勿論、母さんには悪いけれど、錫也のおにぎりには敵わない。
だけど、おにぎりを食べる度、日本でのあの楽しい日々を思い出す。
月子に、会いたい……。
そう思いながらおにぎりを口にしたとき、来客を告げるチャイムが鳴った。
「僕が出るよ」
僕はそう言って、玄関へ向かった。
「どちらさまですか?」と英語で言いながら、ドアを開ける。
「あ、えっと……。
My name is 月子……」
月子が言い終わらぬうちに、僕は彼女を抱き締めた。
背後でドアの閉まる音がする。
「いきなりで、ごめんね」
腕の中の月子が、照れくさそうにもぞもぞ動く。
周りに人が居るとか、どうして月子がアメリカに居るのかとか、もうそんなことはどうでもいい。
「会いたかった…」
ずっとずっと、月子に会いたかった。