Starry☆Sky

□Happy Birthday
2ページ/5ページ

「アンリ、ご飯よ」


母さんに呼ばれて、僕は食卓につく。


今日のメニューは日本食。


日本から帰国してから、母さんはよくおにぎりを作ってくれるようになった。


勿論、母さんには悪いけれど、錫也のおにぎりには敵わない。


だけど、おにぎりを食べる度、日本でのあの楽しい日々を思い出す。


月子に、会いたい……。


そう思いながらおにぎりを口にしたとき、来客を告げるチャイムが鳴った。


「僕が出るよ」


僕はそう言って、玄関へ向かった。


「どちらさまですか?」と英語で言いながら、ドアを開ける。


「あ、えっと……。
My name is 月子……」


月子が言い終わらぬうちに、僕は彼女を抱き締めた。


背後でドアの閉まる音がする。


「いきなりで、ごめんね」


腕の中の月子が、照れくさそうにもぞもぞ動く。


周りに人が居るとか、どうして月子がアメリカに居るのかとか、もうそんなことはどうでもいい。


「会いたかった…」


ずっとずっと、月子に会いたかった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ