アオイイロ

□Misfortunes never come singly.
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「そっかー、頑張れ」

ずずーっとストローからコーラを飲みながら、大和は何とも他人事のように言った。

実際他人事なのだが。

「もー辛い。後ろにずっと居るんだよ?集中できるわけがない」

疾風はがくっと頭を下げた。

ここはファーストフード店。

店内の涼しさに、つい長居をしている。

疾風が愚痴っているのは樹のことだ。

昨日から付きっきりで勉強させられている。

事の発端はつい昨日。

夕食が終わり、父親の大地が風呂へと行き母親の百合が台所にいた時、必然的にリビングには樹と疾風の2人が残された。

何となく気まずいような。疾風が二階に行こうとした瞬間、樹が口を開いた。

「成績、どうだった?」

びくっと体が跳ねた。

やばい、ばれる。と思った時いつの間にか樹がソファに座っていた疾風の横に立っていた。

「どうだった?」

もう一度問いかけてくる。その目は鋭い。
見せるまで解放して貰えないだろう。

「えーと…」

悪くはなかった。が、英語の成績が落ちていた。

もとから英語は苦手で、試験勉強もやる気が起きなかった為、下がってしまったのだ。

「はい…」

おずおずと成績表を見せた。

無言で成績表を見つめる樹。
そして一言。

「馬鹿か」

スパっと斬られた気分である。

そりゃ、樹と比べられたら悪いし…。

樹は昔から頭も良く、県で有名な進学校へ通っていた。

「けど、そんな悪くないだろ?」

「お前が通っている学校なら、オール5はとれるだろ」

意味が分からない。
自分はとれるかも知れないけどさ。



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