アオイイロ
□There are two sides to every question.
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遠足の日が近づくにつれ、クラスの話題は遠足の事で持ちきりだった。
行く日はもうすぐなのだ。
そりゃ浮かれるだろ、遊びに行くんだし、と小林。
「まぁ疾風は違うみたいだけど?」
小林が探るような目で疾風に尋ねた。
切り込まれてぐっと一瞬息を飲む。
「そうか?普通に楽しみだよ」
ああ、上手く誤魔化せてないのが小林の顔を見たら分かる。
疾風は思わず目を逸らした。
「そっか、まあ楽しもうぜ。同じ班だし」
そのまま何も聞かないでいてくれる、その距離感が疾風には心地よかった。
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遠足当日。
天気はすっきりと晴れて、心地よい。
現地集合で、朝9時までに集まらなければならない。
10分前に疾風が着いた時同じ班のメンバーは全員が既に集まっていた。
「よ、疾風」
小林が笑顔で手を振ってくる。
「おはよ」
他の班員とも挨拶を交わしてさっき買ったコーヒーに口をつけた。