アオイイロ
□Time flies like an arrow.
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音をたてて開いた扉から顔を出したのは小林雅。
その人物を見て、クラス中(主に女子)が色めきだった。
小林は濃い茶髪に甘い顔立ちでかなりの人気を誇る。
1年の時クラスは別だったがたまたま委員会が同じで喋るようになった。
今では仲の良い友人になっている。
「疾風、オレら一緒のクラスだな!」
小林が満面の笑みで近寄って来る為に、ますます視線を集めている事に本人は気付いているのか…いないのか。
「おー。1年間宜しく」
疾風があっさり返すと小林は不満げに口を開いた。
「あんまり嬉しくなさそう」
その拗ねた顔が面白くて笑ったらますます拗ねて、自分の席に行ってしまった。
あいつは両手を上げて喜ぶリアクションでも欲しかったのか?
そんな事を考えながら机に視線を向けていた疾風は、ポケットの携帯が震えるのに気付き、画面を開いた。
そこには見慣れた名前からの新着メールが一件。
開いて思わずため息を吐いた。
なんで、あいつは…っ。