たんぺんもの


□家庭教師
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そのわかんねぇところがあるかどうかは微妙なとこだが。

まあ俺も就活はじまるしなあ。

忙しくなると厳しいもんあるし、今のうちに遊ばないと。

驚いた顔をしてじっと見てくる雅治に、俺は僅かに首を傾げた。

ん?
何?


「兄さんは…」


震える声で。
何、どうしたよ。

断るとマズイのか?

泣くのか?

何か誤解してねぇか?


「俺といるのが嫌なんだ」

「いやいやいやいや違うって。会うくらいならいつでもいけるだろ。講義早く終わった日は実際迎えいってんじゃねぇか」

「忙しいっつって送ってソッコー帰るの誰だよ」

はい、俺。

だってさあ
レポート溜まってたりバイト入ってたりすっから仕方ないだろ?

でも二週間に一度は遊んでるし、電話もメールもほぼ毎日してるし問題ないだろーが。


「けどさ毎日…」

「足りないつってんの」

「二週間に一回は…」

「足りないつってんの!」

「あぁ…えーっと」

「何、他に理由あんじゃねーの」


ないし!
何か変な誤解しとる!

目が座ってるよ!


「俺の他に…」

「いないって。ただただおばさんに申し訳ないだけ。頼むから誤解すんなよ」


呆れた声を出してしまう。

女じゃねぇんだし、勘弁願いたい。
面倒なの嫌いなんだよな

イライラしてきた。

何ごねてんの、わけわかんねぇ。


「じゃあ…兄さんからキスしてよ。」


は!?


「したら信じるし、足りないっつーのも我慢してやるからさ」


はい?!

俺からって…
俺から!?

自慢じゃないが雅治だけは俺からキスしたことがない。

何で?
とか聞かれたら困る。

俺がする前に雅治がしてくるからとか
何か恥ずかしいとか
いろいろあるから。

してもイイけど
こんな風に改まられると緊張すんじゃねぇの

もうちょいこー自然な感じならしてもイイけど

あぁ…
面倒臭いって雅治くん


「考えてる事解るよ、かなり面倒だとか思ってるだろ。」

「うん」

「否定しろよ。」

「いやだって面倒なの苦手だもん。」

「うわあ、王様。」

.
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