たんぺんもの


□真実
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山本美沙子、25歳。
普通のOLしてます。
家庭は父子家庭。
けど仲良く父とは暮らしてます。





Title 真事実






会社の残業でかなり夜遅くなった…

早く帰りたくて、気持ち悪いけど近道の公園を通ることにした。

明日は土曜日だっていうのに。
何も金曜日に残業言わなくてもいいじゃない。

あのくさればばあ覚えときなさいよ?

彼氏とご飯の予定もダメになっちゃったし。
あーあ。

最低。

なんてことを考えながら歩いていると公園も後少しになった。

「…ぁあッ、こんなところで」

耳に入るは男の声。

へ?

今の…
明らかにあれよね。
最中の声よね。

しかも…

お父さんの声に似てるなあ
でもまさかよね
お父さんがまさかこんな所で…

「義雄さん…こんなになって」

何て言った?!

義雄!?

お父さんの名前じゃない!

しかもあの声、よくにてるわね…

隣の古谷さんの旦那さんの声に。

まさかあれがうちのお父さんで
もう一人が隣の旦那さんなんて。

あははは。

有り得ない
有り得ない。


いや
あったら駄目よね。

私は必死に歩き始めた。

けど耳に残った声に堪らず足をかつんと鳴らした。


くそお

気になる。


あの声がお父さんじゃないとは解ってるけど
けど!

気になる。

私は声が聞こえた方に足を踏み出していた。

声がどんどん近づいてくる。

どうやら盛り上がりMAXの御様子で、声は高くなり大きくなりしかも、抱きしめろだのキスが欲しいだのと愛しい男にねだりたおしている。


ふふふ。

まさか25にして
見なくていいものBest1に輝く他人の性交(しかもゲイ)を見物しにいっているとは…

草場の影でお母さんがきっと泣いてるわ。


吐息まで聞こえてきそうな距離。

後はこの茂みさえ掻き分ければ見える…

やつらが!


大丈夫。
お父さんじゃないわ
隣の旦那さんじゃないわ
大丈夫
大丈夫
大丈夫…


手で茂みを掻き分ける。

がさっ


「あっ」

お父さん

「あ。」
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